おしらせ

イランでは古代遺跡を見学していると、荒れ地のような所でも多様な植物が花を咲かせていました。
イランの旅は忘れへんうちに 旅編に記載しています。

2016/06/22

アラ・アルチャ渓谷の花 日本の花に似たもの1


東トルコでは、日本の植物に似たものは少なかったが、キルギスでは驚くほどたくさんあった。
と言っても、地域が違えば全く同じではないので、日本花の名前をあげて、それに似た花ということにしておく。

1 イブキジャコウソウ(伊吹麝香草) シソ科イブキジャコウソウ属 高192 Thymus serpyllum ssp. quinquecostatus f. ibukiensis  
伊吹山では見たことがない
白馬三山で見たものとよく似ている。
こんなに濃い色のものもあった。
その昔、東鎌尾根から槍ヶ岳へと向かう道中、地面に張り付いたようなものを見たのがこの花の初見だった。その時はこのような色合いだったが、ずいぶんと丈が高いものもあるのだ。

2 シロウマアサツキ(白馬浅葱) ユリ科ネギ属  高561 Allium schoeprasum var. orientale
白馬で見たものとは少し違うかな。
タネ?
渓谷外の標高の低いところでみつけたものは青かった。

3 ハクサンフウロ(白山風露) フウロソウ科フウロソウ属 高340 Geranium yesoense var. nipponium
日本の山ではよく見かける花だが、たいていは薄いピンク
蕾が写っている

4 タカネグンナイフウロ(高嶺郡内風露) フウロソウ属 高341 G. eriostemon var. reinii f. onei
フウロソウとの違いはシベが大きく目立つこと、そして背が高い。

5 ミヤマハナシノブ(深山花忍) ハナシノブ科ハナシノブ属 高198 Polemonium caeruleum ssp. yezoense var. nopponium
北岳の大樺沢に咲くお気に入りの花の一つ

6 リシリブシ(利尻付子)? キンポウゲ科トリカブト属 高465 Aconitum sachaliense var. compactum
トリカブトの仲間はいろんなものがあるが、花の付き方の一番近いのがリシリブシだったが、葉は異なる。背景はサクランボ

7 オオレイジンソウ(大伶人草) キンポウゲ科トリカブト属 高475 Aconitum gigas var. hondoense
日本で見た花は、白またはクリーム色だが、キルギスでは淡い紫。
トリカブトのように花(頂萼片と花弁)が頂部にまとまって付かないのがレイジンソウだと思っている。
少し赤紫がかったものも。
ではこれはトリカブトかレイジンソウか?頂萼片が細長いのがレイジンソウの特徴の一つではなかったかな。

8 オヤマリンドウ(御山竜胆)の類 リンドウ科リンドウ属 野260 Gentiana scabra var. buergeri
『日本の野草』は、花冠は濃紫色で2~3㎝あり、平開しないという。開いたのを見ることも少なかったように思うが、白山では開いている個体があった。
開き掛けのものも

9 ヤツシロソウ(八代草) キキョウ科ホタルブクロ属 野134 Campanula glomerata var. dahurica 
上向きのホタルブクロのような
これもそうかな

10 キキョウ科ツルニンジン属 Codonopsis lanceolata
ホタルブクロ?(火垂る袋 キキョウ科ホタルブクロ属 野130 Campanula punctata)それともミヤマシャジン(深山沙参 キキョウ科ツリガネニンジン属 高147 Adenophora nikoensis)?
シャジンは蕊が見えて、ホタルブクロは蕊が見えない。ではホタルブクロ?
いや、ビシュケクの書店で買った『растения кыргызстана』という、ロシア語の本は、日本語では『キルギスの植物』というらしいが、それにこの花が載っていた。
Кодонопсисとある。ラテン名がcodonopsis、つまりツルニンジン属であることがわかった。
Campanula coconopsis なので、蕾がツルニンジンに似ていて当然なのだった。
でも蔓はない。キルギスの高山または天山山脈で見られる種ということになるかな。
同書の図版には、花の中が写っていた。
2行目の文字を調べたら「ツリガネニンジン属」どっちやねん。
日本のツルニンジン(ジイソブ)は、しっかり蔓です。
写真はイマイチですが、緑色のものがある程度大きくなったら4つに割れて、中から花が現れ、割れたものが萼になる様子がわかります。
蕾は似ているのに、日本では蔓になり、キルギスでは蔓はない。どのあたりで分かれたのでしょう?

11 イワオウギ(岩黄耆) マメ科イワオウギ属 高352 Hedysarum vicioides
日本の高山に咲くイワオウギは、こんなに丈はなかった
それになんと長い花柄

12 ムラサキモメンヅル(紫木綿蔓) ゲンゲ属 高345 Astragalus adsurgens
日本のものはもっと色が濃い

13 クサフジ(草藤) ソラマメ属 野380 Vicia cracca 
かなり長い花だったような

14 イワベンケイ(岩弁慶) ベンケイソウ科イワベンケイ属 高409 Rhodiola rosea
日本のものよりも葉が小さく分厚いので、違う種類の植物かも。

15 タカネマンテマ(高嶺マンテマ) ナデシコ科マンテマ属 高496 Silene uralensis
かなり以前に北岳で見たものは、くっきりとした縦縞があり、もっと大きかった。
薄い縞があるが、かなり小さい。花弁は5枚でそれぞれの端が割れている。
もっと丸みのあるものもあったが、ピントが合わなかった。実だったのかも

                  →アラ・アルチャ渓谷の花 日本の花に似たもの2

関連項目
アラ・アルチャ渓谷の花 日本にないもの
アラ・アルチャ渓谷の花 日本の花に似たもの3
アラ・アルチャ渓谷


※参考文献
「山渓カラー名鑑 日本の高山植物」 豊国秀夫編 1988年 山と渓谷社
「山渓カラー名鑑 日本の野草」 林弥栄 1983年 山と渓谷社
「растения кыргызстана」 РАРИТЕТ